Short essay about 娘は戦場で生まれた(原題 For Sama)

今回鑑賞した映画は、ドキュメンタリー作品、「娘は戦場で生まれた」です。

監督はワアド・アルカティーブとエドワード・ワッツ。

 

2011年以降、民主化を訴える反政府勢力と政府軍との激しい武力衝突が続く混迷下のシリア。

廃墟の中に存在を潜ませ佇むのは、街で唯一の病院。

そこでは戦争による負傷者が次から次に運び込まれる惨事ももはや日常という極限下。

医師と看護師は限られた物資と設備で懸命の治療にあたります。

命を救うことを使命として家族と共にシリアに残り続ける人々。生まれる命。

一方で、

両親を失った子供、幼い弟を失った兄。国内外の避難民は1200万人を超えるとも。

戦争による犠牲は深刻ですが、泥沼化する紛争の状況は正しく知ることも困難な状況。

 

今なおシリア内戦で失われ続ける多くの命。

映し出されるのは絶望でも覚悟でもなく事実であり、娘”サマ”へ贈られる記録。

そして、「シリアを知ってほしい、関心を持ってほしい」という全世界への強い願い。

母でありジャーナリストである監督の思いが込もった作品のように感じられました。

 

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。