Short essay about ミッドナイト・ファミリー

今回鑑賞した映画は、「ミッドナイト・ファミリー」です。

ルーク・ローレンツェン監督によるドキュメンタリー作品です。

 

舞台はメキシコ合衆国の首都、メキシコシティ

違法の民間救急隊サービスで生計を立てる一家の生活に密着します。

 

日本の救急車の台数は非常用を含めて約6300台(出典:平成30年版消防白書)。

一方のメキシコシティ、人口900万人に対する救急車の台数は45台未満とのこと。

 

日夜、競合より先に事故現場、急病者宅に駆けつけ、傷病者への簡単な手当て、

病院の紹介、搬送サービスを提供する闇営業を続けている一家。

医療免許はもちろん、専門知識、訓練経験もほとんどない。稼ぎは不安定。

違法営業であるが故の取締りや世間からの風当たりなど世知辛さが漂います。

 

ファミリービジネスの実情、使命感、利用者の言い分、医療体制、汚職・腐敗。

現在の行政サービス、医療サービスでは行き届かないところをケアする命の綱の姿と、

民間救急、利用者、警察、それぞれが弱みに付け込んで利を得ようと腹を探り合う姿。

本音ベースでメキシコシティの世相と複雑性が描かれた作品のように感じました。

 

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。